IEC 61131 規格に基づくプログラマブルコントローラ (PLC) は欧州を初め世界的な普及が進んでおり、日本においても同規格のJIS 版であるJIS B 3501、JIS B 3502、JIS B 3503が国土交通省の電気設備工事標準に採用され、普及期を迎えています。設備分野のみならず機械制御分野でも、高性能なPLCのCPUとIECの定める言語「ファンクションブロック(FB)」や「ストラクチャードテキスト(ST)」を利用し、PLC のソフトウェアでサーボなどのモーション制御を行う例が増えています。
これらによりソフトリッチ化が右図に示すように急速に進んでいます。膨れ上がるエンジニアリングコストを削減する手段として、プログラムの構造化プログラムの部品化/再利用が有効で、IEC 61131-3 はこの目的で制定されたものです。
IEC 61131-3 の有効性は、2005年技能オリンピック(ヘルシンキ大会)でIEC 61131準拠のPLCを用いた日産自動車チームが優勝したことにより、国内でも広く認識されました。PLCopen Japanは、IEC 61131-3の普及促進を目的として、2002年末から活動を始めました。
プログラマブルコントローラ (PLC) の主要規格の状況は次のとおりです。IEC 61131-3は Ed3 に移行しており、日本でも JIS B 3053 の改正作業中です。(2014年現在)
IEC | JIS | |||
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規格番号 | 規格名称 | 規格番号 | 規格名称 | 最新の改正情況 |
IEC 61131-1 | Programmable controllers - Part 1 General information |
JIS B 3501 | プログラマブルコントローラ - 一般情報 | ― |
IEC 61131-2 | Programmable controllers - Part 2 Equipment requirement and tests |
JIS B 3502 | プログラマブルコントローラ - 装置への要求事項及び試験 | IEC改正中 |
IEC 61131-3 | Programmable controllers - Part 3 Programming language |
JIS B 3503 | プログラマブルコントローラ - プログラミング言語 | 2016年2月改訂 |
IEC 61131-8 | Programmable controllers - Part 8 Guidelines for the application and implementation of programming languages |
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IEC 61131-10 | Programmable controllers - Part 10 XML Exchange Formats for programs according to IEC 61131-3 |
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IEC 61131-10は、PLCopenが提案するXMLスキーマ仕様 V2.01 をもとに国際規格化に向けて提案中です。(2014年現在)
私ども PLCopen Japan は、PLC 関連のグローバルな技術動向をタイムリーに把握して会員の皆様にご提供していきます。
PLCopen は、欧州に本部を持つ PLC のプログラミングの国際標準規格である IEC 61131-3 の普及団体であり、 ワールド・ワイドな会員組織です。PLCopen には、世界の主要 PLC 関連企業 (Siemens、Rockwell Automation、三菱電機欧州をはじめ) 92社 (2014年4月現在) が加盟しております。
ABB
AMC Europe
ATS International
AXEL
Bachmann electronic GmbH
Baumuller
Beckhoff
Best Engineering
Bosch Rexroth
Bernecker + Rainer Industrie-Elektronik
Control Techniques
Coolworxx Limited
COPALP
Dassault Systemes S.A.
Deif
Digital Electronics Corporation
Eckelmann AG
Elmo Motion Control
ESR Pollmeier GmbH
Fuji Electric Systems
GE Intelligent Platforms
ISAC
Industrielle Steuerungstechnik GmbH
Itris Automation Square
Keba
Kollmorgen
KW - Software
Leaptron Engineering Pte Ltd
Leuze electronic GmbH
logi.cals GmbH
LTi Drives GmbH
Mitsubishi Electric Europe
Omron Co.
Ormec
Panasonic Industrial Devices SUNX
Parker Automation
Phoenix Contact
Rockwell Automation
3S Smart Software Solutions
Schneider Electric
Selectron Systems AG
Seromsys
SEW Eurodrive
Siemens
SMS Siemag
Stober Antriebstechnik GmbH & Co. KG
Teco a.s.
TOSHIBA Corporation
Triconex
Vacon S.p.A.
VIPA GmbH
Yaskawa Electric
Yokogawa Electric
この他ユーザメンバーや教育機関等多数会員となっています。
PLCopen Japan は、PLCopen の組織 PC4 に位置つけられ、欧州本部と北米 (Promotion North - America)、中国 (Promotion China)、韓国 (Promotion Korea) の世界 5 拠点の一つを構成しています。
PLCopen Japan の正会員数は、2014 年 12 月現在 18(エグゼクティブ会員1、ベンダ会員17)で、組織運営は幹事会 (1団体、5社、委員10名) で行われています。
また、具体的な活動は、普及促進委員会 (3社、4名)、技術委員会 (1団体、15社、29名)、共通教育委員会 (1団体、4社、8名) 等で行っています。
PLC のプログラミングの国際標準規格である IEC 61131-3 の普及を促進し、産業オートメーション分野の合理化・発展に寄与することを目的とします。 具体的には、次の活動に取り組みます。
(1)IEC 61131-3、JIS B 3503 の普及啓蒙
(2)共通ユーザ教育の実施
(3)国内での認証システムの確立 (計画中)
(4)標準化の推進 (他団体との協業)
(5)ユーザ会の運営によるユーザ開発資源の利用推進
2010年
2010.06 PLCopen Japan セミナー開催(活動報告,ユーザ事例)
2010.11 MOF2010 出展(展示,技術セミナー、パネルディスカッション)
2011年
2011.11 SCF2011 出展(展示、ワークショップ)
2012年
2012.11 MOF2012 出展(展示,セミナー)
2012.11 PLCopen Japan セミナー開催(活動報告、ユーザ事例)
2013年
2013.11 SCF2013 出展(展示、出展者セミナー)
Ed.3 の JIS化素案作成委員会(JEMA、NECAとの合同委員会)
2014年
2014.05 トレーニングセンタ設立
2014.09 PLCopen Japan ホームページリニューアル
2014.10 ものづくり技術交流会出展(展示、発表)
2015年
2015.07 PLCopen XML操作用APIを公開
2015.07 標準プログラムエデイタ (基準エデイタ) GLE 1.0ダウンロード化
2015.12 SCF2015 出展(展示、出展者セミナー)
技術委員会
・XML-WG: プロモーション資料、基準エディタ/API 開発
・Motion-WG: 技術仕様書の翻訳、審議、日本語版発行
・Safety-WG: 技術仕様書の翻訳、審議、日本語版発行
・OPC-WG: OPC-J との協業
共通教育委員会
・ST言語普及PJT: 「はじめてのST言語」発行
・Ed3研究会: 解説書の内容について討議中